救急車に乗り込むと、乃愛が静かに眠っていた。


「乃愛…」


動かない乃愛を見て…後悔ばかりが溢れる。


俺が海外進出とか言わなかったら、とか…

無理矢理にでも車に引き止めたら、とか。



「の、あぁぁぁぁぁ…」


ガクッと膝の力が抜けた。


「ごめん…ごめん乃愛…!」


俺結局、乃愛のこと幸せになんかできなかった。


最期の最期まで苦しませた。


後悔と涙ばかりが、溢れた。



最愛の娘…愛里の誕生日、3月12日。



俺はこの日、最愛の妻を亡くしてしまった。




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