乃愛を抱きしめる腕に力が入る。 『恭ー?苦しいよー!』 いつも通りそう言って笑ってほしい… 「乃愛、すぐ救急車呼ぶからなっ…?頑張れよ…?」 震える手で救急車を呼ぶ。 救急車が来てくれるまで俺は乃愛の血が止まるように必死に抱きしめ続けた。 しばらくして視界いっぱいに赤いランプがうつった。 「運びます」 救急隊員らしき人が担架に乃愛を乗せ、運んでいく。 「お話聞かせてもらえますか?」 警察が俺に話しかける。