「ありがとう…」


きっとあたしが泣いているからだと思う。


「ぅあ!?」


あたしの隣に座る愛里が宙に浮いた。


「乃愛、愛里」


「みあちゃん!」


「雅……」


目の前にいたのは喪服で愛里を抱き上げた雅だった。



「………乃愛、ひどい顔してるよ?」


「…うん…せっかく…仲良くなれたのに…って、思って…」


「姫香さん…仲良くなれたんだ、よかったじゃん」


「お姉ちゃんっ、って呼んでほしかったんだって」