「エイだ…ふふっ」


嬉しそうだ。


よかった。


「ありがと」


「ん」


「あたしも買ったの」


え?


ポケットから出てきた小さな袋。


「見て?」


乃愛をソファーに置いて隣に座り、袋を受けとった。


中から指輪が出てきて俺の手のひらの上を転がった。


「…イルカだ」


「かわいいでしょ?」


「乃愛、付けて」


手を差し出す。


「これは、右手」


右手の人差し指に乃愛からの指輪がはまった。