部屋に戻るやいなや、勝也くんがこちらに駆け寄ってきた。 「おかえり。どこまで行ってたの?」 心配そうな目でこちらを見てくる。 「ちょっとね」 「社長の所?」 「えっ…?」 思わず声が出てしまった。 「やっぱりね」 いたずらっぽく彼が笑う。 「何でわかったの?」 「千絵さんからタバコの匂いがする」 「あー…」 そして得意げに、社長の愛用はハイライトでしょと付け加えた。