「最後に、握手してもいい?」 「はい。喜んで」 手を差し出すと、優しく握ってくれた。 勝也くんとは全く違う、シワの多くてごつごつした男らしい手。 「改めてよろしくお願いします」 「こちらこそ」 手を離すと、ものすごく切ない気持ちになったけど、悟られないように笑顔を作って家へと向かった。 「おやすみなさい」 「うん。また明日」 …なんだかちょっとだけ満たされたかも。