「明日も逢おう。」

彼はそう言う。

「いいんですか?佐脇さんも忙しいんじゃないですか?」

、、、、、、この期に及んであたしはいまだ鈍感である。

「大丈夫だってば。気にしないでいいよ。明日も会おう。」

そう言いながら掴んだ手を強く握ってくる。

「、、、はい。明日もよろしくお願いします。」

彼の気迫に負けてと言おうか、本当は一緒にいることを望んでいたからなのか、あたしはあっさり折れてしまった。

「よっしゃ、さあ、帰ろう。家の近くまで送るよ。もう暗くなってきているから。」

そう言いながら、あたしの手を引いて立たせる。

立った途端、足が痺れていたせいでよろけてしまった。

そのあたしを彼は抱きとめた。

「おっと。」

「!あ、、、。」

彼の腕に抱かれてしばしそのままでいた。

肩幅の広い、がっしりとした彼の胸の中で、あたしの頭の中は真っ白になっていた。

ふ、と彼の手があたしの顎をもちあげその瞬間、彼の唇があたしの唇に触れた。