一人、無口に何となく雨と戦っているかのように、しかし、できるだけ袴と足袋を濡らすまいとしていた帰り道、、、。

急に、

「がつっ!!」

という、大きな音とともに前につんのめった。

慌てて何かを掴んだ手に激痛が走った。

「いったぁぁぁ、、、。」

見れば、手から血が滴っている。

ああ、そういえばここには有刺鉄線が張ってあったんだっけか、、、。

と、前から後ろに続く鉄線を視線でなぞる。

「なんか、すっごく、ツイテナイ気がする。」

考査といい、雨といい、今のこれといい、今日は厄日だろうか?