「もしかして、からかわれたかな、あたし、、、。」

何やら、ひどく惨めな気持ちになりそうなそのとき、

「あの、おねえちゃん?」

後ろで声がした。振り向くと、

「あんたが、沢 夏葉さんですか?」

と10歳くらいの男の子が聞いてきた。

「そうよ、沢 夏葉です。」

すると、その子は袂から手紙を出してこう言った。

「これ、浩平兄ちゃんから預かってきたんだ。兄ちゃん、急用で来れなくなったからって。これをおねえちゃんに渡せって言われたんだ。」

と差し出した。

ちょっといぶかしくも思ったけど受け取った。

「早く返事を頂戴よ。兄ちゃんに頼まれてるから。」

と、その子はせかした。手紙を読んでみた。

『急に試験を受けなければならなくなり、今日は都合がつきません。来週土曜はどうですか? 佐脇』

どうしようか?でも、、、。