「理紗?」 「...いで」 「え?」 小さい声でよく聞こえなかった。 「どこにも...、行かないで...」 目に涙を溜めながら、理紗が言った。 その姿を見ると、胸が締め付けられた。 俺は、何で今まで理紗に冷たい態度しかとれなかったんだろう...。 俺のせいで、理紗は1人だった。 今日、理沙が熱を出したのも俺のせい。 どれだけ寂しかったんだろう。 俺は理沙の体をゆっくり起こして抱きしめた。