生ぬるい風がほほを撫でる。 久しぶりの実家の匂いで 俺は一番に目を覚ました。 みんなはすやすやと眠っていた。 真悟とあゆみが手を繋いで寝ているのを見て 顔が熱くなる。 どうして人は。好きになってくれる人をそのまま好きで返せないのだろう。 どうして好きだということに気付けないのだろう。 窓を開けると富士山がまさに威風堂々と構えている。