Bandrium~きみに捧ぐ恋のうた~




「ぐすっ……」



あたし何でこうやって泣いてるんだろう。



どうしてここにいるんだろう。



なぜ、バンドの一員である湊くんには言えたんだろう。



……分からない。



またバケツの水を一気に頭に被せられたかのように



初めて会った頃と同じように言われてしまった。



でも彼の言葉には何一つ間違ってることはなかった。



彼の気持ちはあの彼の眼差しは絶対に本気だった。