恋の狂想曲





「……っ」


嫌だ、嫌だ。

これが夢なら、覚めてほしい。


でも夢じゃない。
その証拠に頬を引っ張ってみれば、痛かった。

目の端に涙を滲ませながら見慣れた町を走る。


行き先は特になかったけど、自然とあたしはある場所へと向かっていた。

その場所へ着くと。



「…ふっ、」



ガクン、と身体を支えていた足の力が抜け、地面に座り込んでしまった。


ある場所とは―――――――…見晴らしのいい小さな丘の上。

あたしが初めてこの町に来て、町を歩き回った時、一目で好きになった場所。


それ以来悩みがある時はここに来ている。

ここに座っていると、なんだか…自分の悩みがすごく小さな気がしてきて。不思議と気分が晴れるのだ。


だから今日もここに来た。


なのにいくらここにいても気分は晴れない、悩みは消えない。



心が悲鳴をあげている。

誰か助けて。あたしの悩みの答えを教えて。


あたしに光を見せて…―――――――。




「…どうしたんだよお前」



声が聞こえてふと顔をあげると、遥か頭上には見知らぬ顔が。



「何で泣いてる?」



"あなたには関係ない"

そう言いたかった。