「………」
諦めて、また前を向く。
そんな私を、エルガはどこか罰の悪そうな顔で見ていたけれど。
ぼうっと湖を見ているうちに、眠気が襲ってきた。
それに抗えず、エルガの肩に寄りかかって、私は眠りについた。
*
程なくして眠りについたロジンカをおぶって、俺は子供達が寝ているはずのテントへ戻った。
しかし、そのテントの横に俺のテントが張られているのに気づき、驚く。
そばには、ビストール家の紋章が入った、あの馬車があった。
「……………」
ロジンカをおぶったまま、テントの近くに立ち尽くしていると、奴隷用のテントからエリーが出てきた。
…まだ、夜は明けていないのに。
エリーは俺に気づくと、顔を明るくさせた。
「エルガ!ロジンカちゃんも…!みんなー!ふたりが帰ってきたよ!」
まさか、みんな起きているのか。
テントから、子供達がぞろぞろと出てくる。
特にテンは、よほど心配していたのか、俺におぶられているロジンカを見るなり、じわりと瞳に涙を浮かべた。



