ギュッと、手に力を込める夜 「散歩でリードを繋ぐのは 犬のような気もしますが・・・」 「・・・・・・・・・・・・」 「それに、これでは私が 繋がれているように思いますが」 「・・・・・・うるさい。 黙って繋がれてろ」 私から顔を背け 夜はそのまま屋敷への道を歩く 私も隣に夜の体温を感じながら 並んで帰った 蒼空には、 まだ上ったばかりの月が 薄暗い道を照らしていた―。