白い手紙  ~ 二つの心~





「夜光君~、待ってよ~!....もうっ!」



 名前を呼んでもやっぱり反応がなくて。

 黒い服の上から夜光の背骨が見える

 だけで、いつも振り返ってくれない。




 夜行君は、妖怪、なんだよね...。




 そんなことに、すこしだけ私は

 寂しさを覚えた。



 お父さん...お母さん...。

 あ、今日みーちゃんに挨拶してなか

 ったな。いつもはちゃんと「おはよう」

 って学校に行ってたのに。




 とぼとぼと、いろんなことを思い出し

 ながら長い風真家の廊下を歩く。



「なんか...寂しいな...」