白い手紙  ~ 二つの心~






 思わず声にびっくりして顔を上げた。




「ハァ....ったくお前は、恥という言葉

を知らないのか!この無能女っ!馬鹿女!

この俺に恥をかかせやがって!」



 夜光君だ....もしかして、私を探して

 走って帰ってきてくれたんだ...。

 それにしても。



「何よー。夜行君がさっさと行くのが悪い

んじゃない。女の子のペースに合わせる

のが普通じゃないのー?」



「お前が俺に合わせろ」



「はあ~~!?」




 恥ずかしがっていたはずの私は、もう

 道端の人たちの目線なんか、だんだん

 気にしなくなっていった。