腹黒天然な俺様




千尋?の顔を見ると思い当たることがあるらしい表情をしていた。



「あの時のおばさん!」



あの時?

私は2人の顔を見回す。



なんなの!?



お母さんは優しい笑みを浮かべた。


私には、そんな顔滅多にしないくせに。


「あの時はありがとうね。おかげで濡れずに帰れたわ。」


「いいえ~…」



濡れずに?


「あっ、杏。千尋くんがね、今日傘忘れた私に貸してくれたのよ。」


「傘~…」



「優しいでしょ?」



もし、それが本当ならお母さんに貸したから濡れて今現在に至っているってことじゃん。


「お人好しはどっちよ。」


「…っせぇ」


千尋はぷいとそっぽを向いた。