相変わらずかわいい梨紅は、あたしの腕に絡みついたままで
「……なぁーに?葵、」
そう、なぜか挑発的な口調で梨紅が言うものだから
「……梨紅、裏になるのはまだ早すぎるんじゃない?」
「葵にはカンケーないでしょ?言っとくけどこれは、俺のやり方だからね」
「…ふーん。」
会話の内容は理解できなかったが、唯一分かった
この二人の空気はただならないものだった
あ、これはマズイな、と感じた
冷や汗が出る
早くこの間から脱出せねば
とりあえず千尋……
いないんですけど。
なんだよあいつ!
ほんと逃げ足と反射神経だけは速いな、おい。
辺りを見渡してみる
いた。
そこに奴はいた
千尋は見事に、今まで仲良く談笑していた光輝くんと早乙女さんの間に入り込んでいた
「とばっちりはゴメンだぜ!」みたいな顔して、こちらを見ていた
いや、とばっちり受けたのはこっちだけどね。
引き金引いたのは思いっきりお前だよ?
あの野郎……
後で覚えとけよ。



