初恋メランコリック






「…茉奈、遅い。俺、待ちくたびれて死んじゃうかもだった」



そうしゃがみ込んでアリの行列の邪魔をしているであろう、片手に木の棒を持った葵の姿

落ち着いた声で、子どもみたいに可愛らしい文句を言う葵


綺麗な顔の人はそんな事言っても、全く違和感ないのか…ある意味羨ましい




「まぁまぁ、葵。女性は身支度に時間を使う事が、妥当でしょう?…ねぇ、茉奈ちゃん」




そう言っていつも通りにニッコリとして微笑んだ早乙女さん


少なくとも昨日みたいな出来事が、なかった事のようだ