『あ、はい。食べるものなかったので。』 「ふーん…あ、そう。」 理由など聞いていないといいたげな反応だ。 男は早くも椅子に座って、チョコレートケーキを食べ始めた。 よっぽどお腹が空いていたのだろう。 チョコレートケーキはものの五分で平らげられた。 「…ブスのくせにうまいじゃん。」 満足げな顔で男は私に言った。 褒められているのは分かるが、ブスは聞き捨てならない。 『…ブスは余計です。』