ドシャ降りの雨で着ていた服は濡れ…茶色の髪から滴が何滴も落ちながら走る彼の姿は、どんどん小さくなっていった。 「…あの人、ここで待ってたとか??」 「そんな訳ないよね…」 私は彼に貰ったビニール傘を開き歩きだした。 何時間、待っていたのか分からないぐらい、傘の取っ手は温かく… 少しだが、彼の温もりを感じ。心がときめいているような気がした。 これは雨のせいなのか… それとも…彼の優しさにときめいているのだろうか…