ふと…春陽ちゃんを見ると『頑張れ』と口パクしていた。 私は、言われた棚の前に立ったのだが。 「あの……すみません。ちょっと、そこいいですか?」 棚の前には、長身の男がど真ん中に立っていて邪魔だった。 すると、声をかけられた男は私の方を見て… …見ただけだった。 全く動く気配すら感じらず…困った私は、とりあえず隅っこの方から整理し始めた。 棚から本を一冊抜きとった瞬間……