アキ君は夢を叶えて、今は弁護士として働いている。 アキ君のスーツ姿はまだ見慣れない。 「栞奈のこんなに暗い顔、久々に見たな」 「そうかな……」 「ほら、その顔。 ビックリするぐらい暗い」 あたしは自分の頬を触ってみた。 アキ君はそんなあたしを見て小さく笑った。 「何があったか聞いてほしい?」 「んー……微妙」 「じゃあ、聞かない。 栞奈の顔見たら、それなりのことがあったんだって何となく分かるし」 アキ君はそう言って優しく微笑んだ。