栞奈side

幼稚園、公園、仲の良い友達の家。

いろんなところを当たったが、萌ちゃんはどこにもいなかった。


どこに行ったんだろう……。


萌ちゃんの家から子供の足で行けそうなところ……。


走り回りながら必死でそんなことを考える。


だけど、この辺りでそんなところは思いつかない。

思い当った場所は全部探したし、お父さんや他の先生方もこの辺りを探しているだろう。


……ダメだ。

まったく思いつかない……。


「先生!!」


少し離れたところから声が聞こえ、あたしは振り返った。


あ……。

あれは……


「萌ちゃんのお父さん……」


萌ちゃんのお父さんは走ってあたしのところまで来た。

その顔は……とても必死だった。