「……あんな蓮、初めて見たな」

「……うん。
蓮ちゃんはいつもしっかりしてて……部長だった大和より頼りになる存在だったから……」

「……何とかしてやりたいな」


……蓮にはいつも助けてもらってたから。

今度は……俺がアイツを助けてやりたい。


「でも……どうしたらいいんだろう」

「蓮に元気を出してもらう方法か……」


思いつくとしたら……一つしかないんだけど。

蓮のための……俺達なりのやり方。


俺が思っていることが分かったのか、栞奈は俺の方を見てにっこり笑った。


「明日、先輩達に相談してくる」

「うん!」


不器用な俺達が蓮にしてやれることは……一つ。

俺は早速ケータイを取り出して、先輩達にメールを打ち始めた――