「蓮ちゃん……」 栞奈は蓮を心配そうに見る。 「……あの頃に戻りたい」 「あの頃……?」 「……高校時代」 蓮……。 「……バスケだけやって、何も考えずに能天気に過ごしてたあの頃に……戻りたい」 ……蓮は失笑した。 「んなこと無理だって……分かってるよ。 でも……楽しかったじゃん。 あの頃が……一番」 ……蓮が言ってることも分からなくはない。 確かに、あの頃は楽しかった。 だけど…… 俺はチラッと栞奈を見た。 栞奈は何とも言えないような顔で蓮を見ていた……。