パンッ!

・・・

静かな部屋の中、

頬を叩く音だけが響いた。

・・・

左頬を押さえ、

オレを見た理子。

・・・

今まで見せたことのないその顔に、

少し驚いていた。

・・・

オレを冷たい目で見つめている。

・・・

まるで哀れんでいるかのように・・・

・・・

しかしオレは、

普段と変わらない笑顔で、

理子に言う。

・・・

「これは、約束を守らなかった罰です。

理子は、片時も私の傍を離れてはいけない。

もう、琴美の世話もしなくていい。

ただ、私の傍に・・・」


「…隆弘様」


「・・・なんだ?」

「隆弘様が私の目の前で、撃たれたら、

私も死んで後を追う・・・

それくらい、貴方をお慕いしております」