別れ道での約束

え!?


落ち着いていた心臓が飛び跳ねた。


「咲良、将来…俺と結婚して」


抱きしめていた大智の腕が緩んだので、私は大智の顔を見上げた。


目が合う。


大好きな優しい瞳を細くして、私も見つめている。


「咲良、好きだよ。咲良としか結婚したくない。だから、絶対に結婚しよう」


思いがけないプロポーズ。


「うん!私も大智が好き。だから、絶対に結婚してね」


「ん。じゃ、約束な」


大智が右手の小指を差し出す。

その小指に私の小指を絡めた。


将来、絶対に結婚するという約束を交わした。


指切りをしたまま、キスをした。

優しい、愛しいキス。