「あ!」


焦る大智が目を泳がせて…私と目が合った。


プラカードで顔を隠していたはずなのに、いつの間にかプラカードは顔の下にあって、私の顔は丸見えだった。


やばい。


プラカードを持ち上げて、顔を隠すが、遅かった。


「咲良!」


やっぱり私の姿は気付かれて、大智が近付いてきた。


大智を囲んでいた子たちがこっちを見る。

視線が痛い。


「何、覗いているんだよ」


大智はそんな視線なんて気にしないで、私の頭をポンポンと軽く叩く。


「ちょっと、見えちゃったの。見てたわけじゃないから」


少々、苦しい言い訳。


「もしかして、今の見ていて、妬いた?」