ずっと入り口に立っていられても困るので、丸いクッションに座るように促した。


小さいテーブルの前にあるクッションに大智が座るのを確認して、私も向かい側に座った。


「何か咲良の匂いがする」


大智が上を向いて、犬みたいに鼻をクンクンした。


私の匂い?
思わず、私も鼻をクンクンさせたけど、分からない。

「えー?どんな匂い?匂いなんてしないけど」


「いつも咲良から漂ってくる匂いだよ」


いつもって…
いつも匂いを嗅いでるというの?


「変態!」


恥ずかしくなって、出てしまった暴言。