「クスッ、大智の口の周り、白い髭が出来てる」


大智にティッシュを渡す。


「拭いてよ」


せっかく渡したのに受け取らない。

そっと拭いてあげる。


「取れた?」


「うん」


「じゃ、帰ろう」


いつものように大智は家まで送ってくれる。


「あっちーなー」


家の前に来て、まだ空高くにある太陽を眩しそうに見上げる。


暑いと喉が乾く。
早く家に入って、麦茶を飲もうと思った。


大智が流れてくる汗を手で拭う。


「大智、うちでお茶飲んでいく?喉乾いたでしょう?」


大智も喉が乾いているに違いないと思った。