また涙が流れる。


大智が優しく拭う。


「泣かせてばかりでごめん。未練がましいけど、約束してもいい?破っても構わないから。聞くだけ聞いてくれる?」


「うん…」


「俺が大学を卒業する春の咲良の誕生日に会ってくれないか?あの教会で待っているから」


「え?」


「咲良がその時、誰かと幸せになっていたら来なくてもいい。俺は待っているけど」


新たな約束。


でも、守れる自信はないし、大智だって分からないと思う。


「一応、覚えておく。大智、頑張って夢を叶えてね」


私は背中を向けた。