大智は小さいテーブルに置かれた私のリングを見る。


「あ…、実習やバイトで傷つけたりすると困ると思って、外しているんだ」


今更の言い訳。

リングをしていなかったことを責めるつもりはない。


「大智、ちゃんと別れよう。もう会わない。連絡もしない」


「嫌だ!俺は咲良が好きなんだ。今は離れていても絶対に咲良と結婚する!」


意志の強い目で私を見て、抱きしめる。


「大智、お願い。別れて。別れよう。だって、あたしたちは別れたんでしょ?」


「完全に別れてない!好きだ!」


そう言って、私に強引にキスした。