別れ道での約束

「会いたかった」


「俺も」


大智と見つめ合う。


その目に偽りは感じられない。


「とりあえず、うちに来いよ」


「うん」


躊躇いもしないで手を繋いで、アパートに私を連れて行く。


沙希ちゃんとは何でもないのかもしれない。


私が勝手に誤解して、考え過ぎてしまったのかもしれない。


駅から歩いて10分のとこにアパートはあった。


「おじゃまします」


「狭いから、気をつけて」


玄関を入ると左側に小さいキッチンがあって、そのすぐ先にベッドやテーブルやテレビなど生活必需品が置かれていた。