そこには表彰式の日時と場所が書かれているらしい。


でも、その内容だけでは何のことかさっぱり分からない。


私は首を傾げる。


「今年の初めに出したコンテストで優秀賞を取ったんだよ。良かったね!」


教授が嬉しそうに話す。


「本当ですか?」


描いた絵のことはもちろん覚えている。


下書きから丁寧に描いて、納得する色を何度も探して、作って、重ねて重ねて描いた。


出来上がった絵を教授に見せたとき、とても褒めてくれたことも良く覚えている。

自分でももちろん気に入っていて、自信作だった。


「あの絵はいけると思ったよ」