涼太が呆れ顔で渡部先輩を見る。


「そうそう、咲良ちゃんがかわいそうだよ」


「渡部、後輩には優しくしてやれよ」


近くにいた先輩たちから非難の言葉を受ける渡部先輩。


私は当然だと思った。


「何だよ、寂しそうな顔する咲良ちゃんが悪いだろ」


だけど、全然反省している様子はない。


「まあ、いいや。お詫びとして、帰りは送るよ。一緒に帰ろう」


「はあ?」


それって、全然お詫びにならない。

危険すぎる。


「いえ、1人で帰れるので結構です」


「女の子が夜に1人で帰るなんて危険だよ」