「沙希と?何で?なんか言われた?大丈夫か?」


大智は歩き始めた足を止める。


「電車、来ちゃう。後でゆっくり話すから」


大智の腕を引っ張って、とりあえず駅まで急いだ。


車内の隅っこに立って、沙希ちゃんとの話を大智に伝えた。


大智は驚きながらも真剣に聞いてくれた。


私が全部話し終わった後、大きなため息をつく。


「俺、あいつの気持ちを分かってなかった。甘く考えていたよ。咲良、嫌な思いさせてごめんな」


「ううん、あたしは大丈夫」


駅から私の家までの帰り道、大智はこれからのことを話した。