大智…と呼び捨てなんだ…。


私は呼び捨てしたことに驚きながら、「うん」と簡単に返事をした。


「そう…」


沙希ちゃんはテーブルに目線を落とす。


「えっと、話って…何?」


まさかそれだけの確認をするために呼んだんじゃないよね?


「あたし、大智のことが好きなの」


顔を上げて、真っ直ぐ私を見る。


沙希ちゃんの気持ちは分かっていたけど、面と向かって言われると動揺する。

気持ちを落ち着かせるために、私は膝に置いている手をギュッとする。


「でも、大智はあたしと付き合っているから」


「そんなの分かってる。でも、諦められなくて…。だって、あたしは一年以上も好きなんだから!」