「穂波社長、おはようございます」



「おはよう、今日の予定は?」


「えっとですね・・・」


・・・

こんな風に、毎日忙しい日々を送っている。

・・・

浩輔は、相変わらず、

会社の重役会議や、取引先との商談以外は、

あのレストランでコックを続けている。

「オレには、こっちの方が、

性に合ってるんだ・・・

お客様の笑顔が、一番近くで見られる、

このレストランが…」

そう言って微笑んだ浩輔の顔が、

今も目に焼き付いている。

・・・

私や子供、

このレストランは、

浩輔にとって、かけがえのない物だと、

いつも言う。

そう想われる私たちは、

本当に幸せだった。