「え…?」

俺は一瞬何を言われているのか分からず、部室にいた7人の顔を見渡した。


「もう俺達は、お前に合わせて練習するのは嫌なんだ。

バスケは好きだけど、毎日毎日クタクタになりながら7過ぎ迄練習するのは嫌なんだよ」

「そうだ。
俺達はバスケをやりにこの高校に入学した訳じゃなく、良い大学に進学する為に勉強して入学したんだ。

塾は6時からだし、お前がいない間は5時半には部活を終わってたんだよ」

「なぁ、長谷川にはまだ2年あるかも知れないが、俺達にはあと1年しか――」
「分かったよ」


俺は部員達の言葉を遮る様に吐き捨てた。

「辞めてやるよ。
俺が辞めれば良いって事だろ!!」


俺は再び制服に着替えると、鞄を持って部室の扉を開けた。

それでも誰も引き留めもしなければ、声を掛けてくる奴すらいなかった。


.