もう誰も信じない、誰とも関わらない、俺にクラスメイトなんか最初からいなかったんだ。

俺はその日、クラスメイトの横顔や背中に決別した――



それでも俺には、学校にもう1箇所だけ居場所があった。そこはクラスメイトを失った俺には、最後の砦となる場所だった。


そこでは間違いなく必要とされているし、俺がいないと絶対に上手くいかない…

そうそこは、バスケットボール部だ。


俺がいないと絶対に勝てないし、毎日の練習すらまともに出来ない。バスケットボール部では、絶対的な存在だったのだ。



しかし――


その日いつもの様に部室に入ると、他の部員達が俺の来るのを待っていた。

俺は気にする事もなく鞄を置き、着替えながら声を掛けた。

「体育館行かねえの?」


すると誰も返事をせず、暫く沈黙が続いた後で部員の1人が口を開いた。

「俺達、もう嫌なんだ…」


.