「私も独りなんだよ。

ううん…
2人だけど、独りなのかな?」


憂いを含んだ微笑みに、僕は飲むのを止め彼女の方を見上げた。


「そうか!!
今日から君が一緒だから、もうお互いに独りじゃないねっ」

彼女は僕が心配そうに首を傾げたのが分かったのか、思い切り笑顔を作ると、僕の顔を両手で挟んで額を当てた。

でも――…



彼女は僕が飲み終えた器を壁際に置くと、うつ伏せになって顔を僕の目線まで落として言った。

「名前つけなきゃね。君は――男の子だよね…」

僕の鼻先を右手の人差し指でピンと弾くと、仰向けになって考え込んだ。


生活感の余りない部屋は、他に住んでいる人がいない事を物語っていた。

そもそも僕が思い切り走り回れない程の広さに、何人も住んでいるとは思えないけど…


.