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「別れてねぇよ!!」

俺は横山の言葉に激怒して、携帯電話に向かって怒鳴った。

すると横山は一呼吸置いて、これでもかという位に嘲笑った。

「はーっはっは!!
お前馬鹿か?
馬鹿だよな絶対!!

お前の元彼女、さっき別の男と腕組んで歩いてたぞ」

「う、嘘だろ?」


「お前、本気で言っているのか?
憐れな奴だな。

一緒に歩いてたのは、佐川 祐司だぞ!!」

俺の頭は何が何だか分からなくなり、一瞬にして真っ白になった。

そして全ての思考が止まり、周囲の音が一切聞こえなくなった…


祐司が智香と腕を組んで歩いていたという事実を突き付けられ、状況の判断が出来なくなった。



もしそれが本当ならば、俺は祐司と智香…

一番信じていた2人に、同時に裏切られた事になる。


俺の心は見え始めた結末を拒否し、横山の卑劣な作り話だと自分自身に必死で言い聞かせた。


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