「本当か!?」
俺は心底ホッと胸を撫で下ろした。理由はともあれ、半年近く放置していた事になる訳だし、新しい彼氏が出来ていてもおかしくないと思っていた。
智香を狙っている奴も数人知っていたし、ただでさえ目立つ子だったから心配していた。
しかし今冷静に考えれば、4ヶ月以上の入院期間中に一度も面会に来た事もなく…
連絡すらして来なかった。
そんな相手が俺を待っていたなんて、どう考えても有り得ない話だ。
あの時の俺は、そんな誰にでも分かる様な簡単な事を、見ない様にしていたんだ。
傷口は発見が早い方が浅く、順調に回復する。
俺は自分自身で傷口を広げ、深く深く心に傷痕を刻み付ける様な事をしている事をしていた…
それでも現実残酷で、見ない様にしていたのに…
自分で気付くよりも激痛を伴いながら、俺の元に知らせが届く事になる――
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