11月に退院して自宅に帰ってからも、退屈な日々が続いた。

週に2日程度の割合で覗きに来る祐司だけが、唯一の話し相手だった。


祐司とは幼稚園から一緒の幼なじみで、どうしても俺と同じ高校に行きたいと、必死で勉強して合格した。

いつも前向きで、困った人を見ると放っておけない正義感の強い性格という事もあり、頼りになる本当に親友と呼べる奴だった。


実際、学校に行けない寂しさも、何か取り残された様な苦しさも、祐司が来てくれた事で随分癒された。


以前と変わらない学校での愚痴や、くだらない笑い話をしていただけだが、俺にはとても大切な時間だった。



少しずつ普段の生活を取り戻しつつあった俺に、1つだけ気掛かりな事があった。


12月の中旬、そのずっと言い出し辛かった事を、祐司に話す事にした…


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