結局俺が退院したのは、11月の中旬だった。
リハビリは順調に進み、身体の方は筋肉が落ちた位で、ほぼ後遺症も無く元通りになった。
医者は奇跡に近い事だと言っていたが、自分の抱いていたイメージでは、最初から元通りになりそうな気がしていた。
ただ…
頭部を強く打ち付けた為か、精神的なものなのかは分からなかったが、時々激しい頭痛と嘔吐に見舞われた。
その為、登校出来る様になるまでには、更に1ヶ月程の通院が必要だった。
学校との話し合いや両親の考えもあり、
「中途半端に数日2学期に登校するよりは、3学期からにした方が良いだろう」
という事になり、自宅待機となった。
この時の俺にはよく分かっていなかったが、それは出席日数が足らなくなるという事であり…
つまり、留年するという事を意味していた。
.



