まったく――
今となっては、笑い話にもなりはしない。
虚構と現実…
世の中の全ては、ライアーゲームだ。
俺が手にしている物全てが、泥で造った偽物だった…
俺が信じていたもの全てが、俺が愛していたもの全てが――
崩れていくのは、ほんの一瞬だった。
奈落の底なんて場所は、いつも足元にあるんだ。
「――…大樹」
カナが布団の中で、身体をくの字にしてまるで胎児の様に丸まって、何度も俺の名を呼ぶ…
カナ――…
ごめんカナ…
一度失くしてしまった物は、そう簡単には戻ってこないんだ。
お前がどんなに俺の名を呼んで手を差し出しても、その手には掴まれない。
俺にその手は見えないんだ…
でもねカナ…
カナの声は聞こえているよ。
ちゃんと俺に届いているよ。
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