あの頃の俺は、本当に順風満帆だった。


入学して直ぐ、バスケットボール部に入部した。

中学でも3年間やってきたし、通っていた学校自体が強くて県大会でもベスト4に入った。


自分で言うと嘘みたいだが、結構有名で私立高校からスカウトもきた。

当然、進学校に進む予定だった俺は、あっさりと断ったが…


1年生の夏にはレギュラーになり、秋の県大会では創部以来初のベスト8になった。

チームの5割以上のポイントを叩き出していた俺は、1年生でエースになり、2年の夏の大会ではベスト4も夢ではないと言われた。



バカバカしい。

バスケットボールにチームプレーが最も重要ならば、俺達がベスト4になるなんて事は有り得なかった。

信頼関係なんて、どこにも無かったんだ。


どこにも――


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