その場で横になり、ついに眠ってしまったカナに、ベッドの上から布団運んで掛け隣に座った。


いつも勝ち気に言い返すカナの本音を、今日初めて知った。

日頃の態度からは、想像すらしていなかった…


所詮は形だけの付き合いで、カナが2人の間に絆とかそういった物がある思っているとは考えてもいなかった。

現に今日まで俺は、俺なんてカナに必要とされているとは思ってもいなかったし、失くなっても困らない…それ位の関係だと思っていた。



ほら今だって、俺は誰も信じていないし、期待だってしない。

もう嫌なんだ。
あの時みたいに一瞬で全てを失い、奈落の底に突き落とされるのは…


どうせ失くなる物ならば思いを込める事もせず、何も期待をしなければ、あの時の様な絶望感を味わう事も無いのだから――


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